ブラック校則とは、一般的に見て明らかにおかしい校則や学校のルールの事を言います。
全国には耳を疑うようなブラック校則が存在するのを知っていますか?
さらに、ブラック校則はこれからの時代不必要とされる「思考停止人間」を生む元凶となる危険性もあります。
この記事では、ブラック校則とは?・ブラック校則の具体例・校則が生み出す「思考停止人間」について徹底解説致します。詳しく見ていきましょう。
「黒髪強要」ブラック校則の是非、全国で話題に
ブラック校則と言えば、大阪府立高校3年の女子生徒に対し、生まれつきの茶髪を黒く染めるように強要した事例が全国で話題となりました。
■大阪府の女子高校生が黒染め強要で不登校へ
大阪府立の高3女子生徒が、学校側からの「黒髪強要」が精神的苦痛になり不登校になったとして、府に対し損害賠償を求めました。
女子生徒は生まれつきの茶髪で、入学以前にそれを伝えていたにもかかわらず「その髪では登校させられない」と黒染めを強要されました。
これに応じて髪を染め続けていると1年後、頭皮が痛くなり出します。
学校側にこの事実を伝えても、「黒がルール」と言われ、「染め方が足りない!」などと4日に1度の頻度で注意を受けるようになります。
修学旅行や文化祭も「黒染めしなければ参加を認めない」と言われ、女子生徒は過呼吸になり不登校になってしまいました。
胸糞悪いですよね。これぞ理不尽の極み。
学校は黒髪を強要する理由を「茶髪の生徒がいると学校の評判が下がるから。金髪留学生でも黒髪にさせる。」と言ったそうです。
さらに、指導内容も驚くべき内容でした。
教師から4日に1度は「アウト~」「黒くしないなら学校に来る必要はない」などと言われ、文化祭や修学旅行への参加も認められず、旅行のキャンセル料も請求されたそうです。
母子家庭の女子生徒に対し、「家庭環境の変化の際に、両親の気を引きたくて頭髪を染めたのか」とも言ったとされています。
【世間の反応】みんなの声
学校では頭髪検査の時に、1人1人生え際までチェックされたからね。
全国のブラック校則の具体例
ブラック校則とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
調べてみると、全国には理不尽な校則がまだまだあるようです。
生徒が「どうしてダメなんですか?!」と聞いても、学校側は「ルールだから」としか答えようのない意味不明のものをいくつかご紹介致します。
・「男子生徒を挑発するのでポニーテールは禁止。」
・「ブラウスから透けて男子生徒が欲情するのでブラジャー禁止。」
・「一度登録した髪型は、卒業時まで変えてはならない。」
・「シャーペンは禁止。」
・「日焼け止め禁止。」
・「白の肌着しか着てはいけない。」
・「恋愛禁止。」
・「異性の急所を10秒以上見続けてはならない・異性の急所に5秒以上触れてはいけない・異性の急所を1分以上想像、あるいは夢想してはいけない。」
・「父親以外の異性とは一緒に歩いてはいけない。兄弟も禁止」
ティーンは恋愛もするし欲情もする。それは人間として当然の事だと踏まえたうえで学生らしいルールを作っていけばいいと思うのですが、ブラック校則は欲求の全否定から入ります。
さらに合理的なものをあえて非合理的にするなど、納得のいかないものもありますね。
中でも、シャーぺン禁止は非合理的なもののいい例です。
鉛筆削りは面倒くさいし、その時間を宿題や勉強、読書にあてる事だってできますよね。高校生になっても、こんなつまらない事を強要されている生徒がいるなんて驚きます。
ブラック校則育ちの人間は使えない?AIに仕事を取られるかも!
理不尽な校則の学校で育つと、理由の無い納得できないルールでも無条件で受け入れるという形が身について、典型的な「思考停止人間」になってしまいます。
これからの時代、言われたことをこなすだけの「作業」であれば、AIが担っていくと言われていますよね。人件費もかからず文句も言わない優秀な社員であるAIに「作業」だけでは到底勝つことはできません。
これからは、仕事にも自分という付加価値を付けていったり、さまざまな事に自発的に取り組む事が必要とされていきます。
しかし、ブラック校則で「思考停止人間」になってしまった人は、言われた事をそのまま受け入れる事は得意ですが、自ら疑問を持ち行動をするという事ができなくなります。
何にも疑問を持たず、社会で身も心もすり減らすだけの人間を増やさないためにもブラック校則を廃止するべきだと強く思います。
校則がゆるい高校で育った私が思う「校則」
私は、校則とは「人と違うのはダメだ」と個性を殺す意識を植え付けるものだと思っています。
私は校則が嫌で嫌で仕方が無かったため「校則の無い自由な高校に行きたい」という一心で勉強し、私服の高校へと行きました。
実際に私服の高校へ通って思ったことは、1人1人が自由だと他人の目が気にならないという事です。
同じ制服、同じ黒髪の集団に、茶髪の子がいるだけで目立ちますよね。そして、集団から目立ってしまった子は学校からも生徒からも「異物」として見られ、時にはイジメの対象になってしまう事だってあります。
しかし、全ての人が私服で好きな格好をしていたらどうでしょうか。
茶髪の子がいようと、金髪の子がいようと、くせ毛で眼鏡の静かな子がいようと、何も気にならないんです。目立つ子が羨ましければ自分も赤い髪にすればいいだけなので、「あいつ目立ちやがって~」なんて感情になる人はいません。
また、コミュニケーション強者が弱者をいじるような場面も見た事がありませんでした。全ての人が人の目を気にすることなく自分らしくいられたように感じます。
さらにもう一つ他の学校と違う所は、納得いかない事で怒られないため先生と仲良くなります。卒業後も飲み会に先生を呼んで一緒に楽しんだり、友人の結婚式に行けば先生がいたりしました。
校則でガチガチに上下関係をつけないため、先生とも対等とまではいきませんが、人と人としてコミュニケーションを取れていたからなかな、と感じています。
とにかく、私服で過ごした高校生活は、人間関係のドロドロとは無縁の最高の3年間でした。
私は、校則や制服で生徒を見た目から均一に保つという事は「人と違うのはダメ」と言っているようなものだと思っています。
校則によって、没個性化された生徒たちは異物を探し出し、それがイジメ問題などへと発展していきます。
そう確信したのは、制服のある会社へ就職した事がきっかけでした。
制服のある会社の職場の雰囲気は最悪で、校則の厳しい学校にいるような違和感を感じました。
先輩が後輩の「髪型がどうだ」「化粧がどうだ」と、どうでもいい見た目の悪口をグチグチ。先輩たちはちょっとした髪型の違いやメイクの違いに目をギラギラさせていました。
やはり、制服による没個性化で異物排除の心理が働き、人間関係は悪化するんだなと確信した瞬間でした。
LGBTを筆頭に、生徒は多様化しています。これからの時代、ブラック校則や理不尽なルールで生徒を均一に強要するのはナンセンスなのではないでしょうか。
ブラック校則のまとめ
ブラック校則について解説致しましたが、いかがでしたでしょうか。
岐阜県では9割以上の県立高校に理不尽な校則が見られたため、今年度よりそれらを全て廃止する予定だそうです。一部では批判の声もあるそうですが、私は支持したいと思います。
校則が無いと聞くと無秩序な様子を想像しがちですが、「大学」の雰囲気を想像するとわかりやすいかと思います。自分で考えて自分で行動する習慣が高校生の段階から身につくという事です。
自由な校風で遊びほうけて勉強しなかった生徒は受験で失敗し後悔するかもしれないけど、それでいいと思います。学生のうちからトライ&エラーを繰り返して学んでいければ、「自分で考える力」も自然と身につくはずです。
先生も説明できないような理不尽なルールで生徒たちが苦しまないためにも、ブラック校則の弊害について今後も考えていく必要がありますね。